都道府県庁所在地と政令指定都市の計52市区を対象とした共同通信の調査で、マイナンバーカードの自主返納が5月以降、少なくとも計318件あったことが2日分かった。4月は20件程度。5月以降に個人情報の誤登録などのトラブルが続出し「情報漏えいが不安」「制度に不信感がある」などの理由で急増した。政府が制度への信頼を回復できなければ、さらに拡大する可能性がある。
52市区(東京は新宿区)に対して国外転居やカード破損などの理由ではなく、本人の希望に基づく自主返納数を把握しているかどうか尋ねた。集計していたのは29市で、5月以降の最新データを合計した結果、計318件となった。最多は堺市の44件。
4月の自主返納数を把握していた24市のうち15市はゼロで、残る9市の合計は21件だった。
5月以降に21件の返納があった金沢市は「返納届に『信用できない』『問題が多い』などの記載があった」と説明。「制度への不安」(那覇市)「危ないカードは持ちたくない」(山形市)「セキュリティーに不安がある」(福井市)などの声も寄せられていた。
カードの取得は任意で、返納届に名前や住所などを書いて自治体に出せば手放せる。岐阜市は「任意なので返納を翻意させるのは難しい」と指摘。福島市は「再交付には手数料千円が必要と説明しているが、それでも返すと言われたら仕方ない」とした。
マイナカードを巡っては5月以降、公金受取口座の誤登録や他人の年金情報閲覧、健康保険証の情報ひも付けミスなどが明らかになった。各市では、保有に不安を感じる住民から返納方法などの問い合わせが相次いでいる。松江市の担当者は「制度への不安を払拭しないと理解を得られない」と語った。
相次ぐ返納を受け、松本剛明総務相は6月30日の記者会見で「国民に信頼してもらえるよう努めなければならない」と述べ、対策を急ぐ考えを示した。〔共同〕
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