昨年9月、大阪市内の小学校に通う小学5年生の女子児童が自宅マンションの11階から飛び降り、亡くなった。両親が12日、記者会見を開き、娘はなぜ死を選んだのか、苦しい胸の内を明かすとともに、学校側に詳しい調査を求めた。
女子児童の上着ポケットから見つかった手紙には「つらいせいかつ学校が。もうつかれた 本当に本当にごめんなさい さようなら」などと綴られていた。
さらに、手紙はのり付けされていて、2枚目にも「学校で死ねって言われた」と、苦しんだ思いが隠されていた。
母親は「水泳がすごく好きでオリンピックに出たいって言っていました。しっかりした子でした」と振り返り、父親も「意志の強い子でした」と語った。
仲が良く、毎日にぎやかに食卓を囲んでいた家族。前日まで小学校にも通い、家では悩んでいる素振りも見せなかったという。
母親は「まったくわかりません。なんで今いなくなったのか。何度も思ったんですけどね、事故じゃないかなって。ふざけていて落ちたのかなって。でも遺書読んだら…。違うよね。最期に思った気持ち、彼女から聞くことはできないけど、何を思ったか知ってあげたい」と。
学校でいじめがあったのか、調査をしてほしいと、両親は学校に願い出た。
女子児童の死から1か月後、学校は、同じ5年生を対象に「悩んでいたことや嫌がっていたことなど、知っていることはないか」など聞き取り調査をした。
調査から2か月以上たった日、学校を訪れていた母親は突然、校長に呼びかけられた。その際、教育委員会などから、調査の結果、いじめを特定できるものはないと伝えられたという。
母親は「(いじめはなかったと)告げられました。(娘の)思いに、一生懸命一生懸命近づいていきたいと思って、学校を信じて、教育委員会を信じて、今までやってきましたけど、きっちり向き合ってもらっているとは思っていません」と話す。
学校側は、専門家らによる第三者委員会の調査を提案したが、両親は、学校側で、もっとしっかりと調べてほしいと、記者会見を開いた。
両親は「触れないように、無かったことのようにしないでください。私たちの知りたい気持ちを迷惑に思わないでください」と訴えた。
その後、学校と大阪市教育委員会も記者会見を開き、見解を説明した。
大阪市教育委員会事務局指導部初等教育担当の弘元介課長は「いじめの疑いはあると考えている。メモがみつかっていることには(いじめがあった)可能性があると思っている。具体的な行為は把握することが、いまだ、できておりません」と述べた。
女子児童が通っていた小学校の俵正典校長は「学校としてできることについては、やって参ったと思っている」と語った。
その一方で、学校は、教室にあった女子児童の荷物を、両親に引き渡す前に倉庫に移動していた。
父親は「どうも教室ではなく倉庫に置かれていた。ほこりまみれじゃないですけど、そんなところにぞんざいに置かれていたのが残念な気持ちです」と不信の目を向ける。
俵校長は「いったん倉庫に保管していたのは事実で配慮が足りなかった」と、謝罪した。
学校と市教委は今後、専門家の意見を聞きながら、学校で調査を進めたいとしている。
自宅で母親は「一人の男の子が謝りに来てくれたんですけど、その時はすごくうれしかったです。だからたくさんの子の中に自分じゃないかなという気持ちが少しでもあるなら、その気持ちを話してほしい。犯人探しじゃないけど、そこは(誰が娘を傷つけたのか)探していて。でも犯人探しじゃないんですよ」と呼びかけた。
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March 12, 2020 at 05:24PM
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