ここで問題の一つとして挙げられるのが、処分するはずのハードウェアを製造シリアル番号で管理していたこと。データ消去の観点から見たとき管理しなくてはいけないのはハードウェアそのものではなくその内部にある記憶媒体で、ハードそのものの個体番号で管理していると悪意ある者に記憶媒体が抜かれてしまえばデータは容易に流出してしまいます。
こういった事件が起きたのは、ある意味これまで“ハード”を“作る”ことに集中してきたために、ハードを処分する際に中にある“ソフト”を“壊す”ことになれていなかったからかもしれません。
かつての日本は製造業が経済を支え、「ものづくり大国」とも呼ばれる時期がありました。現在でも、メイドインジャパンのシールが高品質であることの証明だと捉えている人は少なくありません。ソフトウェアの重要性が増している今、改めてソフトを前提とした考え方でビジネスを見直す必要がありそうです。
(銭君毅)
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