19日午前、原爆資料館で各国首脳は被爆者の小倉桂子さん(85)と面会しました。
その面会を終えた被爆者の小倉桂子さんに生中継でお話を伺いました。広島市内のホテルから中継です。
【石井記者】
先ほど平和公園から出たばかりの小倉桂子さんにこちらに駆けつけていただきました。お疲れのところ本当にありがとうございます。まずは、大きな役目を終えられた今の率直なお気持ちを聞かせください。
【小倉桂子さん】
とてもほっとしておりますし、皆さんが本当に一生懸命私の話を聞いてくださったということがとても嬉しかったです。
【石井記者】
手応えみたいなものを感じていらっしゃいますか?
【小倉桂子さん】
そうですね。実際お一人お一人、握手してくださったんですね。そして励ましの言葉もいただいたし、そんなこと考えてもいなかったんですけれども、それがすごいことだと思います。
【石井記者】
今回のこの対面というのはどういう形で、いつ頃告げられて、そして、どんな決意で臨まれたのか、もし話せるところがあれば教えてください。
【小倉桂子さん】
本当に突然のことで、思ってもみなかったんですね。きっとお話をしたい人がたくさんいらして、これを言いたいこれを、あれを言いたいと思ってらっしゃる方に言っていただくのが一番だと思ってたんです。ところが本当に突然、話してみないかと声がかかって、驚きました。けれども、G7の首脳の方々とお会いするっていうことは、歴史的な一瞬に立ち会うということで、それを自分ができるということは幸せなことだなと思いましたし、広島に来ていただいたこと、そのこと自体がありがたいと思います。「ありがとうございます。広島にいらしてくれて」というのが第一声でした。「広島は皆様を歓迎します」とか、「私のお話を聞いてくださるなんて、とても光栄に思います」っていうのからスタートいたしました。
【石井記者】
どれくらいどんなお話をしたのか聞きたいことは皆さん山ほどあると思うんですが、実は全てをここで話すことができないというふうにお聞きしました。どういったことなんでしょうか?
【小倉桂子さん】
そうですね。何を言ってはいけないという話ではなかったんですが、「あなたはこんなことは言ってもいいですよ」っていうような、お話が一番最初にあったので。でも、私が言ったことは話させてくださいとお願いしたんですね。だから私が皆さんに何をお伝えしたかっていうことは話させていただきます。
【石井記者】
わかりました。そのお話をされた場所と時間の長さっていうのはお聞きすることができますか。
【小倉桂子さん】
初めはそんなに長く話さないでと言われましたけれども、どんどんどんどん話したくて。かなり長く話したと思いますね。5分ぐらいかなと予想していましたけれども、実際はもっとお話ししたような気がしますね。
【石井記者】
核保有国を含む国の首脳がとても長く小倉さんの話を聞いてくださったということで今までにない長さだったということですよね。
【小倉桂子さん】
すごく長く聞いていただいたという印象ですね。5分かなと思ったけど倍ぐらいはお話聞いていただいたかなと思います。そして、私がお伝えしたいことは、実は世界からやってくるいろんな海外の人にお話しいることと全く同じ感じで私が毎日話してるような感じのお話をしました。ごくごく普通な感じですね。
【石井記者】
小倉さんの実際の被爆体験を語られたということですか?
【小倉桂子さん】
そうです。まず皆様にようこそいらっしゃいました。広島、長崎、日本の人が待ち望んでいました。ありがとうっていう感情を一番最初に申し上げて、自己紹介として私がどこでどんなふうに被爆したかをお話しました。私としては、実体験をしていただきたいので、そのまま、ピカッと光った次に爆風が来て、私は吹き飛ばされて気を失って、目が覚めると、こうだったという風に時系列でお話しました。それは私が毎日のように海外の人に話してることなのでごく自然に全然緊張しませんでした。いつも話してるのと同じようなお話をさせていただいたんですね。けど、「核兵器と通常兵器との違い」、それだけははっきりお話しようというのが私の気持ちでした。
【石井記者】
それを聞いているときは本当に真剣に聞いて、そしていろんな反応を示していらっしゃったんですか。
【小倉桂子さん】
そうですね。とても熱心に聞いていただきました。
【石井記者】
被爆体験は、小倉さんの証言以外にもお話をされたことがあるんでしょうか?
【小倉桂子さん】
そうですね。佐々木禎子ちゃんの話をさせていただいたんですね。どうしてかというと年齢が私が当時8歳だったのですが、私が禎子ちゃんの話をすれば、放射能によって…核兵器で亡くなったそのリアリティさが伝わると思いましたので。2歳の時に被爆し10年後に白血病を起こして亡くなった彼女が鶴を折った話をいたしました。私は禎子ちゃんのお母様にもお会いしてるのでそれを付け加えて話させていただいたのは、これは本当の話ですよと本で読んだのと違います。私は見たんですよっていうのを感じていただきたかったんですね。だからみんな首脳の方々は、まるで自分がそこにいたかのように、私が禎子みたいに、そうなんだっていうふうに思い起こせて、重ねながら聞いてくださったんですね。でも、通常兵器と核兵器の違い、何が怖かったかっていうのをお話したかったから。それを伝えられるのは禎子ちゃんのお話だと思う。
【石井記者】
その場所で誰かがなくなるだけじゃなくて、何年後かにも亡くなる人がいる。そういった怖さっていうのが伝わるっていうのは、とても大きなことだったのかなと思うんですけれどもそういった意味での手応えはありますか。
【小倉桂子さん】
そうですね。やっぱり皆さん父親母親なもんですからね、自分の子どもたちにも思いをはせていただきたいなというふうに思ってお話をしました。今広島で感じてほしいなと。それと一番怖かったことということで、やっぱり通常兵器と核兵器がいかに違うか。核兵器がいかに長く人々を苦しめるか、それを感じていただきたかったんですね。それは伝わったと思います。
【石井記者】
小倉さんは、10分でも資料館に来るだけでもまず知ることとなり、何か一歩に繋がると以前からおっしゃってました。今回それ以上のことが起こった。これは大きな一歩になると思われますか?
【小倉桂子さん】
そう思いたいですね。そして自分と禎子ちゃんの話も一歩になってほしいし、いかに核兵器のない世界を私達だけでなく皆が望んでいるかっていうのが伝わったと信じたいですね。
【石井記者】
サミットではここからいろんな話し合いが行われるわけなんですけれども、そういう中でも、今回その始まりがこういった形だったのは大きいと思われますか。
【小倉桂子さん】
私は通常のことをお話したけど、私を見たんですよ、私は感じたんですよ。匂いも感じました。それをそっくり(みなさんも)感じてくださいねと。感じていただいたと思います。つまり、広島の持つリアリティは、単なる絵空事ではなくここで起きたというのが彼らの心を動かすと信じてます。
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