知的障害者が暮らす東京のグループホームでは、利用者ら７人が新型コロナウイルスに感染しましたが、その背景には、“家族のような団らんを大切にしたい”という思いから、マスク着用などの対策が十分に行えていなかったことがありました。
施設では対策を徹底しながらも、家庭的な雰囲気を損なわない新たな取り組みを始めています。
知的障害者が暮らす東京・江戸川区のグループホーム「あるめりあ」では、ことし９月、利用者５人と職員２人のあわせて７人が新型コロナウイルスに感染しました。
保健所は、感染者の集団＝クラスターが起きたとして調査したところ、設備の消毒や換気は適切に行われていました。
しかし、“家族のような団らんを大切にしたい”という思いから、リビングルームに利用者が集まった際、マスク着用などの対策が十分に行えていなかったことがわかりました。
食事の際は利用者と職員が隔てなく食卓を囲んでいたほか、利用者が職員に一生懸命、話す姿を見ると、マスクをつけずに会話をしていても注意できなかったということです。
施設では、その後、感染対策と家庭的な雰囲気の両立を図ろうと、マスクの着用を徹底し、一緒の食卓にみんなで集まるのはそのままに、利用者どうしが向きあわないように食卓を配置し、透明な間仕切りも設置しました。
さらに、会話の時間を減らさないように、食事の前に「対話の時間」を新たに設けました。
その日にあったうれしかったこと、悲しかったこと、それに悩みなど、職員がじっくりと話を聞きます。
取材に訪れた日には、７１歳の女性がコロナの影響で福祉作業所での仕事が減ったと、悩みを話していました。
クラスターは起きてしまったものの、利用者の気持ちを大切にした向き合い方を見つけることができたとしています。
グループホームの所長、岩崎健太さんは「マスクをつけたから、コミュニケーションが取りづらくなるというのではなく、コロナ禍でも利用者とどういう交流が持てるのか、考えていきたい」と話しています。
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November 19, 2020 at 04:45PM
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クラスターの背景にあった思いは｜NHK 首都圏のニュース - NHK NEWS WEB
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