9歳になる長男が昨年末、アイスホッケーを始めた。近くにスケート場があったのがきっかけだったが、スケートの経験はなく、運動もどちらかといえば不得意。経験豊かなチームメートの中、少し滑っては転び、立ち上がっては転び…。練習試合をしてもパックにはまったく触れない日が続いた。音を上げるかもしれないと、覚悟していた。
ところが練習を終え、ヘルメットを脱ぐと、いつも笑っている。汗だくの髪をかきわけ、スケート靴の刃で、カッカッと音を立てながら駆け寄ってくる。「一生懸命ですごいね」。褒めると、照れた。「できないことも多いけど、最初はみんなそうでしょ」と息子。
それから約3カ月。まだ初心者だが、いつのまにか転ぶ回数は減り、ザッと氷を削って止まることもできるようになった。
「パパもやったら? 大人のチームもあるんでしょ」。先日、突然言われ、驚いた。目を輝かせる長男。にやりと笑い「教えてあげる」と言う。何度転ぶかな…。気が付くと少し、わくわくしていた。 (岡本太、39歳)
◇
厚い曇り空でも雲の向こうには必ず青空がある−
そんな思いを胸に、記者が暮らしの出来事を綴(つづ)ります。
関連キーワード
おすすめ情報
からの記事と詳細 ( <曇りのち晴れ>パパもやったら?:東京新聞 TOKYO Web - 東京新聞 )
https://ift.tt/4oULWc7
No comments:
Post a Comment