東日本大震災からまもなく12年です。
日本を訪れる外国人が増える中、災害が起きた時、外国人に身を守るための情報をどう伝えるのかが課題になっています。
こうした中、盛岡市で留学生などを対象にした避難訓練が1日行われました。
「言葉の壁」を解決しようと、今回、試みられたのは「やさしい日本語」です。
岩手大学に近い盛岡市の上田公民館で行われた避難訓練には、大学の留学生など15人が参加。
震度6弱以上の地震が発生し自宅から避難してきたという想定で進められました。
この公民館は実際、外国人向けの避難場所に指定されています。避難してきた留学生に対応するのは公民館の職員です。ただ、職員全員が外国語に堪能というわけではありません。
そこで、例えば「避難所」を「逃げるところ」。
「受付」を「書くところ」と言いかえるなどしました。これは「やさしい日本語」といい、災害時に外国人とコミュニケーションをとる言葉として広まりつつあります。
実はこの避難訓練、3か月前にも行われたのですが、この時の職員の日本語が分かりにくいと不評でした。例えば「1階のホールに弁当を取りに行ってください」といった言葉。「弁当」は、日本人にはなじみ深い言葉ですが、留学生には聞き取りにくく、話すスピードも早かったようです。
そこで今回の訓練では、できるだけやさしい言葉をつかうよう心がけました。さらに。受付にはふだん英語を話さない留学生もすぐに理解できるよう日本語の他、中国語や韓国語など3か国の言葉で書いた紙を用意しました。これも、前回の訓練では日本語で書いたものしかなく、参加者から不満の声が上がっていました。
また、やさしい日本語でのやりとりも難しい場合は翻訳アプリも使うなど、今回の訓練はとにかく「伝わること」に重点を置きました。
上田公民館の吉田和弘館長補佐は「相手が理解できるということに重点を置いて今回やってみました。分け隔てなく対応できるようにしたい」と話していました。
そんな訓練、留学生にはちゃんと伝わったのでしょうか。タイからの留学生は「今回の方が日本語・中国語・英語でのアナウンスがより詳しくされていたのでわかりやすかった」と話していました。
アイスランドの留学生は「とても一生懸命やってくださったのはとても感謝しています」と話していました。少なくとも努力は伝わったようです。
こうした非常時のコミュニケーションについて、今回の訓練で「やさしい日本語」の指導にも当たった岩手大学国際教育センターの松岡洋子教授は「ちょっと丁寧すぎるかなという言葉遣いもありましたが、かなり易しい言葉を遣っていたと思います。こういう言葉でコミュニケーションを続けていくうちにどんな言葉が大事で、どんな言葉を省いていいのか分かってくるので、続けてほしいと思います」と話していました。
からの記事と詳細 ( 上田公民館で外国人留学生が避難訓練|NHK 岩手県のニュース - nhk.or.jp )
https://ift.tt/XpPg8Us
No comments:
Post a Comment