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Monday, January 2, 2023

【野球がぜんぶ教えてくれた 田尾安志】一生懸命な人は報われる - 産経ニュース

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近鉄時代の川尻哲郎。2005年に楽天で現役生活を終えた=2004年4月、大阪ドーム

11月に12球団合同トライアウトが行われた。今回は49選手が参加したが、育成選手としての獲得を含めても受かったのは数人。今は引退試合のような印象が強い。このようなニュースを聞くと、思い出さずにはいられない人たちがいる。2005年、僕の楽天監督時代を最後に現役生活を終えたベテラン選手たちだ。

その中に、投手の川尻哲郎(元阪神など)がいた。独立リーグのBC群馬で2年間監督を務めたのは知っていたが、その後がずっと気になっていた。先日、東京・新橋で店を経営する大久保博元(巨人1軍打撃チーフコーチ)から、川尻が近くで居酒屋「TIGER STADIUM」を開いていることを知った。すぐに連絡し、その店で僕のユーチューブチャンネルの撮影と出演をお願いすると、川尻は快諾してくれた。

僕も協力し、お客さんに頼まれると写真撮影をしたり、会話を楽しんだり…。気づくと閉店時間になっていたが、川尻は「最後までいてくれたのは田尾さんが初めて」と笑っていた。

17年ぶりの再会だった。僕は楽天監督時代、2軍の35歳以上の選手を集め、条件をクリアすれば、必ず1軍で使うと伝えていた。だが、短いイニングで点を取られたこともあり、3試合の約束が、川尻を2試合しか使っていなかった。川尻は「田尾さんは人としては大好きだが、監督としては嫌いだった」と笑いながら言った。

その後の半生も苦労は多かったようだ。時速100キロ以上の車が真横を走る高速道路で、パイロンを立てる警備のアルバイトもしていたという。まさに命がけ。阪神のエースだった選手が苦労したのだなと思うと同時に、何でもやるという根性を持ち合わせていたことに胸を打たれた。

ユニホームを脱ぐことになり、初めて思い知らされることは多くあるだろう。それをどう受け止めるか。僕は根本的に一生懸命やるという気構えでいれば、何をやっても成功すると信じている。選手もそうだが、やる気をなくして投げやりな人に対しては、いつの間にか手を差し伸べる人がいなくなる。だが、一生懸命な人は、見てくれている人が必ずいるものだ。

気になっている元選手もまだまだ多い。僕のユーチューブチャンネルに出演することで少しでも宣伝になるなら、いつでも協力したいとも思っている。(野球評論家)

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