紋別市の業務委託事業をめぐる贈収賄事件で、受託収賄の疑いで逮捕された市の幹部は、プロポーザル方式で参加企業を公募する際、特定の会社に受注させるため参加資格に条件を設け、ほかの社を事実上、排除していたことが捜査関係者への取材でわかりました。
紋別市の観光連携室長、岩井智広容疑者(50)は去年、市が発注した避暑地化を推進する計画の業務委託をめぐり、特定の会社に受注させるため有利な取り計らいをした見返りに現金18万円の賄賂を受け取ったとして受託収賄の疑いで逮捕されました。
また、贈賄側の旅行コンサルタント会社役員、中島和彦容疑者(58)も逮捕され、2人の身柄は9日、検察庁に送られました。
今回の業務委託は公募型プロポーザル方式で行われ、岩井室長は委託先を選定する審査委員会のメンバーでした。
捜査関係者によりますと、岩井室長は中島容疑者の知人の会社に受注させるため、参加資格に市内に本店や支店を置くという条件をつけたり、募集期間を通常より短く設定したりして、ほかの会社を事実上、排除していたということです。
知人の会社は参加資格の内容が公表される2か月前に紋別市内に支店を開設し、この1社だけが公募に参加していました。
警察は、委託先の選定について権限のある岩井室長に中島容疑者が便宜を図るよう持ちかけたとみてさらに調べています。
【紋別市民の声】
紋別市の幹部職員が逮捕された贈収賄事件について、市役所を訪れた人たちからは驚きや詳しい調査を求める声が聞かれました。
80代の男性は「市の職員で悪いことをする人がいるのかとニュースを見てびっくりしました。今後そういうことがないようにしてほしいです」と話していました。
80代の女性は「空港もある中で観光を一生懸命やっているなとは思っていましたが、こんなことが起こるとは夢にも思いませんでした。市の調査で悪いことは全部はっきりさせてもらいたいです」と話していました。
【避暑地化構想とは】
今回の事件の舞台になったのが紋別市が進めている「避暑地化」の構想です。
人口減少対策の一環として、涼しい気候と豊かな自然、東京との直行便がある利便性を生かして観光客や移住者を呼び込もうと、5年前に「避暑地化宣言」を掲げて積極的にPRしてきました。
構想には交通手段の充実や観光の拠点になるベイエリア地区の設定、別荘地の分譲推進などが盛り込まれ、市の観光施策の柱になっています。
逮捕された岩井室長は紋別空港の周辺にある観光関連施設の整備事業に中心となって関わり、その前任者だった中島容疑者も一連の構想に深く関与していたということです。
からの記事と詳細 ( 公募参加資格に条件 他社を事実上排除か 逮捕の2人送検|NHK 北海道のニュース - nhk.or.jp )
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