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Thursday, May 26, 2022

北朝鮮制裁決議案、初の否決 中ロが拒否権―機能不全改めて露呈・国連安保理 - 時事通信ニュース

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2022年05月27日12時14分

26日、ニューヨークの国連本部で、安保理会合後に声明を読み上げるトーマスグリーンフィールド米国連大使(中央)や石兼公博国連大使(左)

26日、ニューヨークの国連本部で、安保理会合後に声明を読み上げるトーマスグリーンフィールド米国連大使(中央)や石兼公博国連大使(左)

  • ロシアのネベンジャ国連大使=12日、ニューヨーク(ロイター時事)

 【ニューヨーク時事】国連安全保障理事会は26日午後(日本時間27日午前)、公式会合を開き、北朝鮮による大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射を受け対北朝鮮制裁を強化する米国主導の決議案を採決したが、中国とロシアが拒否権を行使して否決された。残る13理事国は賛成した。

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 安保理は北朝鮮が1回目の核実験を行った2006年以降、対北朝鮮制裁決議を10回採択。いずれも全会一致だった。北朝鮮への制裁決議案に拒否権が使われ、廃案となったのは初めて。ウクライナ情勢をめぐる米欧と中ロの対立が激化する中、安保理の機能不全が改めて露呈した。
 国連総会は先月、拒否権を発動した常任理事国に総会での説明を求める決議を採択しており、この仕組みが適用される初めての事例となる。総会は休日を除く10日以内に開催されるが、中ロが実際に説明に臨むかは任意だ。
 トーマスグリーンフィールド米国連大使は公式会合で、北朝鮮が今年に入りICBMを6発発射したと分析していると指摘した上で、「国際社会全体の平和と安全に対する脅威だ」と糾弾。「今こそ行動の時だ」と決議案への賛成を呼び掛けた。
 これに対し、中国の張軍国連大使は「状況を総合的に分析し、熟慮した末の判断だった」と反対の理由を説明。制裁強化は北朝鮮市民に苦痛をもたらすだけだと主張した。ロシアのネベンジャ国連大使も「新たな制裁の導入は袋小路に続く道だ」と強調。中ロとも制裁強化は問題解決に役立たないという考えを示した。
 安保理が最後に制裁を科した2017年12月の決議には、北朝鮮が再び核実験やICBM発射などを行った場合は「石油の輸出をさらに制限するための行動を取る」と明記されていた。今回の決議案は、北朝鮮による原油と石油精製品の年間輸入量の上限をいずれも25%削減することを柱としていた。
 会合には石兼公博国連大使も出席し、否決を「心から残念に思う」と2度繰り返して悔しさを吐露。前回決議に沿った制裁強化の否決は一貫性を欠いており、「安保理の信頼性を著しく損なう」と訴えた。

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