山陽新聞代表撮影、トーチキスで聖火をつなぐ本多卓郎さん(左)=19日午後、岡山市の岡山城
岡山県で19日から始まった東京五輪の聖火リレー代替イベントには、3年前の西日本豪雨で職場や自宅が被災しランナーに選ばれた人たちの姿があった。校長を務めていた小学校が浸水した同県矢掛町の本多卓郎さん(60)は、学校運営を立て直した経験から「できることを一生懸命にやれば、未来につながる」との信念を、地域への感謝とともに聖火に託した。
岡山城の石垣を背に、神妙な表情も見せながら聖火をつなぎ終えると、片足を上げ、履いていた深紅の運動靴を何度も指さしてアピール。「重みのある火だった」と、受け渡しを振り返った。
2018年7月上旬、岡山県は大雨に襲われた。本多さんが休みだった土曜日。自宅は被害を免れたものの、倉敷市・真備町地区にある勤務先の市立川辺小の校舎に被害がないか、気になった。車で向かったが、道路の冠水でたどり着けない。高台から地区を見渡すと、一帯が茶色い水に覆われていた。
数日後、水が引いたため校舎へ。1階は泥で足の踏み場がなく、室内は机や椅子が散乱していた。同年9月、他地区の小学校舎などを借りて授業を再開。本多さんは児童の心のケアなどで指揮を執り、文房具などの支援を求めて奔走。元の校舎に戻れたのは、20年1月になってからだった。
「五輪は希望の象徴。被災した子どもたちが、少しでも明るい気持ちになればいい」と、聖火ランナーに応募した。今年3月末で定年を迎え、校長を退いた。今は公民館長を務める。代替イベントには、児童から贈られた運動靴で臨んだ。「真備はまだ復興半ばだが、人のつながりの深い町に戻していきたい」
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