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Monday, December 7, 2020

「最後の手段」の自衛隊 頼らざるを得ない医療の逼迫 [新型コロナウイルス] - 朝日新聞デジタル

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 新型コロナウイルスの感染拡大地域で、医療現場の人手不足が深刻になり、政府は北海道旭川市と大阪府に、自衛隊所属の看護師を派遣する方向だ。各地の自衛隊病院でコロナ患者を受け入れている実態もあり、「無尽蔵には対応できない」との声も上がる。

 「医療機関でクラスターの発生が相次ぎ、市中感染も広がっている。このままでは医療体制が崩壊する恐れがあり、自衛隊から看護師を派遣してもらうよう、道に対し要請した」。7日午後に記者会見した北海道旭川市の西川将人市長は要請の理由をそう述べた。

 旭川市に近く自衛隊から1チーム5人の看護師ら医療スタッフが2チーム・計10人入る方向で調整している。西川市長は「自衛隊派遣は最後の手段と考えていた。派遣要請したことを非常に重く受け止めている」とも語った。

 旭川市では11月以降に感染者が急増していたが、危機に陥ったのは、多くの病床を抱える市内の病院でのクラスター発生が大きく影響している。

 11月6日、重篤な高齢者が多く入院する吉田病院(263床)でクラスターが発生し、同病院で入院患者や職員に一気に感染が広がった。旭川では五つの基幹病院がコロナ患者を受け入れてきたが、11月下旬には基幹病院の一つ、旭川厚生病院(499床)でもクラスターが発生。さらに障害者施設などでも発生し、現在、クラスターは市内で計8カ所に上る。

 旭川厚生病院の感染者は計237人で、国内の医療機関のクラスターでは過去最大規模となった。吉田病院でも計187人が感染した。これまでに旭川で亡くなったコロナ患者41人はすべてこの2病院の入院患者だ。ベッド数も多い旭川厚生病院がクラスターとなり、新たな入院や外来患者を受け入れられなくなったことで、市内の医療体制は一気に逼迫(ひっぱく)した。

 11月上旬以降、国立感染症研究所の専門家や、厚生労働省の災害派遣医療チーム(DMAT)、日本医師会の災害医療チーム(JMAT)が応援に入り、病院の支援を続けてきたが、感染急増で体制に限界が来つつあった。

旭川市の病院、自衛隊派遣めぐり市を批判

 市保健所によると、クラスターが発生した吉田病院には、今なお転院できない感染患者が40人規模でいる。介助が必要な重篤な高齢者が多く、1人の看護師が、本来は2人の患者を受け持たないと病院が回らないところ、1・5人程度しか担当できず、慢性的に人手が不足している。

 関係者によると、今月5日夜の…

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