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Wednesday, May 20, 2020

「!」に一生懸命やります感 LINEの業務開始報告に違和感も - livedoor

 仕事がリモートワークに切り替わり、新しい運用を始めた職場も多いのではないでしょうか。LINEで業務開始の連絡をする職場では、朝、同僚からの大量の通知が送られてくるように。そんな流れに反抗したくなった主人公がとった行動とは――? マンガのSNSを運営する「コミチ」とwithnewsがコラボし、「#わたしの情けない話」をテーマに作品を募集。大賞の漫画作品には、思わず頷きたくなるLINEの「あるある」が描かれています。(朝日新聞デジタル編集部・野口みな子)

【マンガ本編はこちら】朝の「業務開始」LINEへの違和感「どうしてみんな…」 在宅勤務の「出来心」

マエムキ・スズ太郎さんの「はい!ラッシュ」

 漫画「はい!ラッシュ」の主人公は、天乃雀美(あまの・じゃくみ)。職場が在宅勤務になり、業務は上司が朝送る、LINEでの連絡で始まることになりました。

 「おはようございます。業務を開始します」

 ……と、ここまではいいのですが、主人公が憂鬱に感じているのは、その直後に起こることです。

「はい!」
「はい!」
「はい!」
……

 上司のLINEに対し、同僚たちがまるで「自分は勤務を始めています」と高らかに宣言するかのように、返信していく「ラッシュ」です。似たような文言が間髪入れずに大量に流れてきて、かつ「!」を多用する返信に違和感を持つ天乃雀美。

 「どうしてみんなビックリマークつけて返信してるの!? なんかすごい『一生懸命やります!』感出てない…!? ホントはみんな仕事したくないはずだよね!?」

みんなと同じ返信は嫌、でもそれがいけなかった

 気にしなければいいのはわかっていても、どうしても同じように返信をしたくない「あまのじゃく」な気持ちがふくらんでいきます。

 自分だけ「!」をつけずに返信すると、テンションが低いように思われるのでは? でも、早く返信しないどサボッていると思われるかも……。

 そこで天乃雀美が絞り出した答えは「スタンプ」でした。

 「これなら仕事に対してやる気のない気持ちにうそをつかずに返信できる」

 返信の流れから間をあけないように、急いでスタンプを選びます。「これでいいや!」と選んだのは、「オーケイ!」の札を持つ、デフォルトのウサギのスタンプ。がしかし――。

 「あっ――……」

 気付いても時既に遅し。焦りで誤って隣のスタンプを送ってしまったのです。よりにもよって、顔にパックをして、寝転んでくつろぐウサギのスタンプ――。

 「なんでお前隣にいんの……」

 小さな「あまのじゃく」な気持ちが、自分の首をしめることになったのでした。

上司からの連絡の「見てるぞ」感

 漫画「はい!ラッシュ」の作者、マエムキ・スズ太郎さん(@mae_mukitarou)は、この漫画は自身の経験と、自分の「あまのじゃく」な一面をもとに描いたといいます。

 スズ太郎さんは5年ほど前から、漫画家のアシスタントとして働いています。これまで仕事場に集まって作業していたのですが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、在宅勤務をすることになりました。その業務開始連絡がまさに、上司からのLINEでの連絡なのだといいます。

 これまでやってこなかった連絡の運用に、気持ちが引き締まる一方、「上司からの連絡に監視の目というか、『見てるぞ』っていう圧を感じますね」。そんな感覚からも、スズ太郎さんの小さな「あまのじゃく」な気持ちが顔を出します。

 「子どもの頃に、母親に『宿題やったの?』と言われると、やろうと思っていたのにやりたくなくなる。あの気持ちに近い気がします」

 そして同僚からの返信のラッシュ。「了解です!」「了解しました!」など、ちょっとずつ変えているけど同じような文言の連続に、「センスが問われている気持ちになります」。しかも、返信は時間の勝負。「ちょっとでも返信が遅れると、なんだか遅刻した感じになりますよね」

 実際には、同僚と同じように返信しているそうですが、「もしも違う行動をしたらどうなるんだろう」と思い、今回の漫画を描いたといいます。

「なぜ意味合いが違うスタンプが隣同士に」

 スタンプの押し間違いについても、まさに同じ失敗をしたことがあるそうです。これは仕事のシーンではなかったため、事なきを得たそうですが、「なぜ意味合いが全然違うスタンプが隣同士にあるのか」と疑問に思ったといいます。

 ちなみにほのかに心配になるのが、今回の漫画を描いたことによる職場の人間関係への影響ですが、「全然問題ないです」と笑うスズ太郎さん。「このマンガで描いたのは『やりたくないけど仕方なくやっている仕事』のイメージです。僕が実際にしている仕事は『やりたくてやっている仕事』なので、楽しくやっています」

 在宅勤務になって通勤がなくなった分、自分の時間が増えたといいますが、「自分の体形をキープしていたのが通勤だったのだと実感しています……」。また、職場での雑談が息抜きやアイディアの種になっていたといい、「それに代わるインプットを見つけるのは、はなかなか難しい」と話します。

 スズ太郎さんはこれまで、ツイッターなどで妻との何げない日常を漫画で発信してきました。こちらも、在宅勤務で夫婦の会話が増え、アウトプットしやすくなっているといいます。今後は読み切りで、さまざまなジャンルに挑戦したいと話しています。

    ◇

マエムキ・スズ太郎さん
コミチのページ:https://ift.tt/2WNucD1
Twitter:@mae_mukitarou

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