ソニー・インタラクティブエンタテインメントは米国時間の3月18日、次世代ゲーム機プレイステーション 5に関する最新情報を公開した。
【The Road to PS5】
その内容については速報(その1、その2)やセッションレポートでお伝えした通りだが、公式ブログや海外メディアでは発表に合わせてハードウェアスペックも公開された。
スペックと言えば、2日前に、最大のライバルであるXbox Series Xが、PS5に先んじてその詳細を公開したばかり(参考記事)。Microsoftのこの大胆な動きに対して、どのように対応してくるのかが注目されるところだったが、そのわずか2日後に、SIE技術部門のトップであるマーク・サーニー氏自らPS5のハードウェアについて語るとは予想できなかった。
サーニー氏の発表は、本来はGDCで公開するはずだった情報ということで、一般消費者向けではなく、開発者向けの内容となっていたが、サーニー氏自身が語ったことで、スペックそのものより、PS5全体の設計思想の説明に重きが置かれていた印象だった。
プレイステーション 5スペック | |
---|---|
CPU | x86-64-AMD Ryzen™ "Zen 2" 8コア / 16 スレッド |
CPU周波数 | 最大 3.5GHz まで可変 |
GPU | AMD Radeon™ RDNA 2-based graphics engine |
GPU周波数 | 最大 2.23GHz まで可変(10.3 TFLOPS) |
システムメモリ | GDDR6 16GB バンド幅:448GB/s |
SSD | 825GB 読み込み速度:5.5GB/s(Raw) |
PS5 ゲームディスク | Ultra HD Blu-ray™(100GBまで) |
映像出力 | 4K 120Hz TV、 8K TV、VRR 対応(HDMI2.1規格による) |
オーディオ | "Tempest" 3Dオーディオ技術 |
Xbox Series Xスペック(参考) | |
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CPU | 8x Cores @ 3.8 GHz (3.66 GHz w/ SMT) Custom Zen 2 CPU |
GPU | 12 TFLOPS, 52 CUs @ 1.825 GHz Custom RDNA 2 GPU |
Die Size | 360.45 mm2 |
Process | 7nm Enhanced |
Memory | 16 GB GDDR6 w/ 320mb bus |
Memory Bandwidth | 10GB @ 560 GB/s, 6GB @ 336 GB/s |
Internal Storage | 1 TB Custom NVME SSD |
I/O Throughput | 2.4 GB/s (Raw), 4.8 GB/s (Compressed, with custom hardware decompression block) |
Expandable Storage | 1 TB Expansion Card (matches internal storage exactly) |
External Storage | USB 3.2 External HDD Support |
Optical Drive | 4K UHD Blu-Ray Drive |
Performance Target | 4K @ 60 FPS, Up to 120 FPS |
気になるスペックは、予想通り、先行して発表したXbox Series Xを下回るものとなっていた。CPU、GPU、メモリ帯域、そしてストレージと、数字の面では少しずつ下回っている。GPUについては、周波数自体は上回っているが、Compute UnitがXbox Series Xの52に対して36と少なく、トータルでの性能はXbox Series Xの12 TFLOPSに対して、10.28TFLOPSに留まる。
ただ、言うまでもないことだがスペックがゲームプラットフォーム戦争の勝敗を決める決定的な要因にはならないことは過去のゲーム史が証明しており、今回は未発表だったものの、確実に価格に差が生まれてくるはずだ。Xbox Series Xは前代未聞のスペックを採用しているが、その分だけ価格が恐ろしいことになる可能性がある。両プラットフォームが新型コロナウイルスの影響を受けず、無事ホリデーシーズンに発売されるとすれば、逆算してE3のタイミングで、リリース時期、価格が発表されるはずだが、今回のスペック発表を上回る衝撃が我々ゲームファンにもたらされるはずだ。
そしてPS5のスペックに関する最大の衝撃は、個々のスペックがXbox Series Xより低いにも関わらず、ローディングについてはXbox Series Xの2.4GB/sに対して、PS5は5.5GB/sと倍以上の差を付けていることだ。これはいずれも非圧縮データでの比較で、圧縮データの比較においてもXbox Series Xが4.8GB/sに対して、PS5は8~9GB/sと、圧倒的な差にかわりはない。これは決定的な設計思想の差といっていいが、これこそがGDCでサーニー氏が開発者たちに伝えたかった情報だろう。
PS5のスペックから判明したのは、グラフィックスパフォーマンスのてっぺんはXbox Series Xに一歩譲りつつも、全体のゲームパフォーマンスはPS5のほうが速くなる可能性がある。言い換えれば解像度やフレームレートで勝るのはXbox Series X、起動の速さ、ローディングの短さはPS5となるかもしれない。今回残念ながら実機デモ等は行なわれなかったため、その真の実力は未知数だが、このローディングへのこだわりは、Xbox Series Xの「クイックレジューム」機能(参考記事)に匹敵するユニークな仕様といえる。
PS4との互換性が明らかになったことで、ローンチのタイミングから豊富なゲーム資産を活かす形でPS5世代に移行できるのも嬉しいニュースだ。次はいよいよ、ローンチタイトル、発売日、価格となるが、先述したとおり予定通りに行けば6月には発表されるはずだ。そういえばPS5は本体デザインがまだだったが、こちらもゲリラ的にサプライズ発表されるか、上記情報とセットになるかのいずれかだろう。まだ波乱含みの次世代機戦争だが、ゲーマーとしてはワクワクするしかない。次なる発表を心待ちにしたい。
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March 19, 2020 at 08:08AM
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