東京オリンピックの聖火リレーで、大会組織委員会が１７日に各地で予定されているセレモニーの中止などを求める新型コロナウイルス対策を発表し、イベントの準備を進めてきた人たちから落胆の声が上がっている。イベントの中止を決めた自治体もあり、関係者は「子供たちが一生懸命練習してきたのに」と残念がっている。【花野井誠、玉井滉大、古関俊樹】
日光市は１８日に聖火リレーコース沿線の自治会長や飲食店、観光関係者らが集まり対応を協議し、スタートとゴール地点のイベント中止を決めた。
世界遺産・日光二荒山神社での出発セレモニーでは、例祭の弥生（やよい）祭（さい）で演奏するお囃子（はやし）を地元の子供たちが披露する予定だったが取りやめとなった。同市大工町の自治会長、斎藤信厚さん（７５）によると、空気清浄機を設置し換気にも注意して小中学生１１人を中心に稽古（けいこ）を重ねてきたという。斎藤さんは「子供たちは一生懸命練習し、大人も全力で支えてきた。伝統のお囃子でオリンピックを盛り上げたかったのに」と肩を落とした。
県内の聖火リレーのゴールとなる宇都宮市は、３０日に市内の出発地点の宇都宮市城址（じょうし）公園でミニセレブレーションを計画している。「うつのみやジュニアジャズオーケストラ」の小学５年から高校３年の約３０人が演奏を披露する予定だったが、中止になる可能性が出てきた。
組織委が沿道での応援に「密集状態や混雑を避けるよう配慮を」と求めたことについて、市スポーツ振興課の担当者は「どこまでが混み合っている状態と言えるのか分からない。組織委や県の方針を踏まえて対応を決めたい」と語った。
栃木市はとちぎ山車会館入口前でのミニセレブレーションで、「とちぎ秋祭り」のおはやしの演奏の取りやめなどを検討している。同市では高校生約１１０人がボランティアをする予定だったが、先日、安全面を考慮して不参加としていた。担当者は「市民の心に残る聖火リレーをと考えていたが、はがゆい」と明かした。
那須塩原市は、同市出身で北京五輪の陸上女子１万メートルに出場した渋井陽子さんらを招いたミニセレブレーションを予定しているが、小中学生らが参加する「黒磯巻狩太鼓」の演奏など一部中止を検討。鹿沼市はゴールの「まちの駅・新鹿沼宿」付近で予定していたミニセレブレーションを縮小する方向で検討している。彫刻屋台４台がお囃子（はやし）を競演するはずだった。
組織委の対策について、福田富一知事は「国を挙げて感染拡大の防止に取り組んでいる状況ではやむを得ないのではないか」とするコメントを発表した。組織委の方針に沿って、１９日に県としての対応方針をまとめる予定。
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＜組織委が示した感染症対策の主な内容＞
・体調が悪い人の沿道での応援自粛を要請
・沿道の応援での密集状態や混雑を避けるよう配慮を要請
・各日の聖火の最終到着地でのセレブレーションで一般の入場、観覧を中止
・沿道やセレモニー会場での独自イベントは基本的に中止
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March 19, 2020 at 09:46AM
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＜東京２０２０＞中止、縮小に落胆 聖火イベント、新型コロナ影響 一生懸命練習してきたのに ／栃木（東京2020報道特集 オリンピック聖火リレー） - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース
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