全国唯一の特定危険指定暴力団「工藤会」(北九州市)トップの野村悟被告(77)に対し、1審の死刑判決を破棄し、無期懲役とした12日の福岡高裁判決。市民が襲撃された4事件のうち、唯一、殺人罪に問われた1事件について、無罪と判断した。直接証拠がない中、高裁は「推認」に基づいてトップの共謀を認定することに慎重な姿勢を示した。工藤会の壊滅を目指し、「頂上作戦」を展開してきた捜査当局は判決の影響を注視する。
「驚いた。直接証拠がない事件のため、気にはしていたが……」。工藤会トップの野村悟被告(77)に対する1審の死刑判決が控訴審で破棄され、一部が無罪となったことに、ある福岡県警捜査幹部はそう吐露した。
控訴審で無罪となった元漁協組合長射殺事件(1998年)は、県警が工藤会の壊滅を目指し、2014年に着手した「頂上作戦」で最初に野村被告らを逮捕した事案で、起訴された市民襲撃4事件のうち唯一の殺人事件だった。
工藤会の会長に野村被告が就いた00年以降、…
からの記事と詳細 ( 元組合長射殺に無罪「気にしていた」 工藤会壊滅へ警戒する県警 - 毎日新聞 )
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