フィジーでは、おととし政権交代して以降、安全保障面で中国と距離をおきつつも、インフラ整備や投資などでは引き続き、中国の存在感が際だっています。
首都スバでは、大型の貨物船や客船が接岸する港の近くの道路や橋が中国の援助でつくられていて、「中国とフィジー友好の橋」と記された石碑も建てられています。
また、スバ中心部にある中国資本のホテルでは春節を祝う旗が掲げられ、多くの中国人観光客でにぎわっているほか、最も高い28階建てのビルが中国資本で建設中で、完成すれば住宅や店舗が入ることになっているといいます。
スバに住む30代の女性は「中国は道路をつくるなど、フィジーの近代化にとても貢献してくれています。感謝している」と歓迎していました。
また、50代の男性も「中国は地元に雇用をもたらしてくれるし、何の問題もありません。経済面で助けてくれています」と話していました。
中国は、フィジーで2021年までの10年間、オーストラリアに次ぐ支援国となっているほか、ほかの太平洋の島国にもインフラ整備などの分野で巨額の援助を通じて影響力を強めています。
中国が島しょ国との関係強化を図る背景には、アメリカのハワイとオーストラリアの間に位置し、戦略上も重要な要衝を抑えておきたいねらいもあるとみられます。
会合に出席していたパプアニューギニアのトカチェンコ外相は、安全保障面ではオーストラリアなどとの関係を重視しているとした上で、「中国はわれわれの経済と貿易の安定に大きな役割を果たしている。中国との関係は非常に重要だ」と強調していました。
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