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Sunday, June 25, 2023

信州人スペシャルオリンピックス日本長野理事長 伊沢喜久子 ... - 読売新聞オンライン

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 今年11月から来年にかけ、長野市と北海道で開かれる知的障害者のスポーツの祭典「スペシャルオリンピックス(SO)」の全国大会。その長野開催の責任者として、スポンサー集めや競技会場などとの調整にあたっている。4年に1度の世界大会につながる大会で、「多くの人に観客やボランティアとして関わってもらい、選手たちの一生懸命な姿を見てもらいたい」と意気込む。

 東京都出身。転勤族の夫の仕事で2001年に長野市に移り住み、5年後に知的障害者にスポーツの機会を提供するSO日本の県組織、SO日本・長野の事務局長に就いた。夫が赴任した海外で日本人会の副会長を務めた経験などが買われたようで、夫の知人から声がかかった。それまで障害者と関わる経験はほとんどなかったが、事務局の仕事を通じて障害者スポーツの世界を知った。

 SOの最大の魅力は、様々な特性を持つ選手たちのひたむきさだ。超人的な技や記録が見られるわけではないが、「予選だから」と手を抜く選手はいない。

 現在、ベルリンで開催中のSO世界大会に県選手団とともに参加し、開会式の聖火リレーで現地の選手がコースを外れ、聖火台へ全力疾走する場面を目にした。選手が一生懸命だったからこそ起きたハプニングに、「これぞSO」と拍手を送った。

 13年にSO日本・長野の理事長に就任し、10年の節目に地元での全国大会が巡ってきた。準備では特に約400人の選手団が一つの宿泊施設に泊まれるようこだわった。過去の大会は、各地から集う選手が複数のホテルに分かれて宿泊するのが普通だった。「最近はコロナ禍で選手同士が集まる機会もなかった。長野の大会で仲間を増やし、今後につなげてほしい」との願いを込めた。

 SOに関わりはじめた当時は選手の合宿受け入れに抵抗感を示す宿泊施設もあったが、現在はほぼない。知的障害のある子どもを持つ親たちの意識も変わり、子どもを隠そうとするのではなく、好きなスポーツの練習会などに積極的に参加させ、長所を伸ばそうとする親が多くなってきた。

 「全国大会を機に地域や企業を巻き込み、つながりを深めたい」。その先には、障害のある人が地域に自然に溶け込み、暮らす社会があると信じている。(村上藍)

 ◇いざわ・きくこ  夫の転勤に伴い、シンガポールやロシアなどで暮らし、2001年から長野市在住。06年にスペシャルオリンピックス日本・長野に事務局長として加入。13年から現職。長野市で行われる全国大会「スペシャルオリンピックス日本冬季ナショナルゲーム」は11月にフロアホッケーなどのフロア競技、来年2月にフィギュアスケートなどの氷上競技が行われる。

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