ソフトバンクが歴史的な決着で、目前まで迫っていたリーグ優勝を逃した。マジック1としてからまさかの2連敗で、シーズン最終戦、143試合目にして力尽きた。勝率で並びながら、直接対決で勝ち越しているオリックスが2連覇を決めた。就任1年目の藤本博史監督(58)は悔しさをバネに、クライマックスシリーズ(CS)での巻き返しを誓った。

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つかみかけていた優勝に、ほんのわずか、手が届かなかった。三森の初回先頭打者本塁打、4回には柳田の2試合連続弾が出て2点を先行したが、6回に登板した2番手の泉が乱調。ロッテ山口に逆転の右越え3ランを浴びた。7回にも甲斐野が2点を奪われた。終盤の反撃も届かず、力尽きた。藤本監督は「悔しいけどね、選手は1年間よく頑張ったので。これが結果ですね。プレッシャーもある中で、誰も力抜いてないし、一生懸命やってくれた結果」と穏やかに話した。

苦しい戦いだった。11連戦まっただ中の9月15日にマジック11が点灯。9まで減らした後、敵地の京セラドーム大阪でオリックスに3連敗し、ゲーム差なしに迫られた。昨季のパ王者に勢いを与えてしまった。今季のターニングポイントとも言える3日間だった。

マジック1で迎え、引き分け以上なら優勝の前日1日西武戦では、セットアッパーの藤井が延長11回にサヨナラ被弾して敗戦。あとアウト4つのところで、優勝がスルリと逃げた。一夜明けても、悪い流れを断ち切ることはできなかった。

新人監督としては新記録となった開幕8連勝の貯金がありながら、主力の故障や新型コロナ陽性による大量離脱が相次ぎ、他チームを突き放すことができなかった。

この日でパ・リーグの全日程が終了した。「リーグ最終日」の優勝決定は82年セ・リーグの中日以来で、パ・リーグでは63年西鉄以来、59年ぶり。過去5度は、すべて前日首位のチームがそのまま優勝していたが、逆転優勝を許した史上初のケースになった。指揮官は「最後まで今日も元気があったし、最後まであきらめなかったし。CSがまだあるんでね、そこに向けてみんなで頑張ります」と、下克上日本一に照準を切り替えた。【山本大地】

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