東京都千代田区は２７日未明、区道「神田警察通り」のイチョウ２本を伐採した。周辺で住民が抗議したが、近づけないように柵を設け、高所作業の機材を使って上の方から少しずつ切り落とした。警察官数十人が駆け付け、反対する住民を取り囲むなど物々しい雰囲気となった。
伐採工事が行われたイチョウ並木＝２７日午前１時３１分、東京都千代田区で（安江実撮影）
保存を求めてきた近くの主婦滝本幾子さん（７２）は「本当に残念。青々と茂った木が切られ、胸の痛みを感じる。話し合いが不十分なまま警察も出動させて工事を進めるなんて異常だ」と憤りをにじませた。区にあらためて話し合いを申し入れるという。
イチョウ並木の伐採工事に抗議する人ら＝２７日午前３時１８分、東京都千代田区で
伐採したのは今回の工事予定区間（２３０メートル）の西端に位置する通り南側の２本。保存を求める住民らは２６日夜も木の前に座り込み、伐採に抵抗した。同日深夜になっても区が工事をする様子がなく、現場に数人を残して自宅に戻るなどした。日付が変わった午前零時半ごろ、続々と工事車両が集まり、柵を設けたという。
区の計画では同区間のイチョウ３２本のうち３０本を伐採し、２本を別の場所に移植する。２５日夜に着手したが、住民らが樹木にしがみつくなどして伐採に反対し、これまで樹木には手を付けていなかった。（井上靖史）
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