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Wednesday, March 30, 2022

富士山噴火時の溶岩流「3時間以内到達の地域」に11万6千人…別の方向に逃げることが効果的 - 読売新聞オンライン

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 富士山噴火時の避難計画を検討している静岡、山梨両県などの「富士山火山防災対策協議会」は30日、中間報告を公表した。昨年の富士山噴火の災害予測地図(ハザードマップ)改定で溶岩流が短時間で到達すると想定される範囲が広がったことを受けて、この地域の住民を混乱なく避難させるための方策が盛り込まれた。市街地では、車ではなく原則徒歩での避難を求める。

 協議会の避難計画は、各自治体の防災計画の基礎となる。中間報告では、ハザードマップ改定で、3時間以内に溶岩流が到達する地域の推計人口が、これまでの約1万6000人から約11万6000人と約7倍に膨らんだことが明らかになった。このうち約8万1000人は、富士宮市や富士市、御殿場市、裾野市、小山町の県内5市町が占める。

 また、多くの住民を遅滞なく避難させるための方法や基準が見直された。協議会の推計で、住民が一斉に車で避難した場合、市街地で深刻な渋滞が発生し、避難が間に合わない可能性があることが分かったためだ。徒歩の場合、噴火後に避難を開始しても間に合った。必ずしも遠くに避難する必要はなく、溶岩流が流れる方向とは別の方向に逃げることが効果的という。

 市街地では、徒歩での避難を原則とする。また、自力の移動が困難な人の避難に、優先的に道路を使うことを検討する必要があると指摘した。避難基準も見直し、3時間以内に溶岩流が及ぶ地域について、一部地域を除き、「噴火後に避難を開始する」とした。

 今後、登山者や観光客の避難、降灰の対策などの項目について検討する。協議会は「できる限り早くに完成させる」としている。

 オンラインで協議会に参加した川勝知事は、「今後、徒歩で安全なところに避難する訓練が必要になる」と指摘し、自治体の個別の避難訓練や計画を支援していく考えを示した。また、「広い範囲に影響を与える降灰への対処が今後の検討課題となる」と述べた。

▽溶岩流が3時間以内に到達する地域の推計人口が約11万6000人と判明

▽市街地の避難は原則徒歩

▽障害者など「要支援者」の道路の優先使用を検討

▽短時間で溶岩流が到達する地域の避難開始は、一部地域を除き、要支援者は噴火前、一般住民は噴火後

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