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Tuesday, February 8, 2022

「役目」はしっかり果たしていたよ…大学院に在籍する高梨沙羅に指導教授「一生懸命な姿に感動」 – オリンピック - 読売新聞オンライン

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 7日に行われた北京五輪のスキージャンプ混合団体で、4位となった日本チームの一員、高梨沙羅選手(25)(クラレ)は、弘前大大学院医学研究科社会医学講座に在籍する大学院生でもある。現在は休学し、競技一本に絞って取り組んでいる。今大会ではメダルに届かず試練が続いたが、弘前大で指導する中路重之・特任教授(70)は「一生懸命な姿に感動した」と最後まで全力で戦い抜いた教え子をたたえた。

 高梨選手が弘前大で学び始めたのは4年ほど前。普段、世話になっているトレーナーに「スポーツ科学の勉強をしたい」と相談した際、中路特任教授を紹介されたのがきっかけだった。社会医学講座には、これまでも柔道の五輪金メダリスト・古賀稔彦さんや野村忠宏さんらが在籍していたが、現役のトップアスリートは異例だった。中路特任教授は「現役ながら勉強しに来るという意欲がすごい」と舌を巻いたのを思い出す。

 高梨選手はまず研究生となり、オンラインで中路特任教授らから個人講義を受け、健康づくりを勉強した。講義では積極的に質問し、実際に大学を訪れることもあったという。中路特任教授は「真面目で学問を深く吸収しようとしている」と評価する。

 高梨選手は2020年10月に大学院生となり、ほどなくして北京五輪に備えていったん学業を休むことに。五輪後は復学し、スキージャンプを科学的な視点で分析する研究を本格化させる予定という。

 周囲の大きな期待を背負って挑んだ北京五輪では、個人ノーマルヒルが4位と、メダルまであと一歩だった。試合後、中路特任教授が「混合(団体)もあるから頑張れ」とメールすると、高梨選手からは「皆さんにお世話になったのに申し訳ないです」との返事があったという。

 混合団体では、高梨選手は1番手に起用された。1回目に100メートルを超える大ジャンプを見せたが、スーツの規定違反で失格に。2回目は、着地した瞬間から涙があふれ出し、しゃがみ込んで泣き崩れる姿が中継された。弘前市の自宅でテレビ観戦していた中路特任教授は「本当はそこまでしなくていいのに、自分の責任を感じてしまったのだろう。誠実な人柄が表れていた」と語る。

 高梨選手にとって、北京五輪は悔いが残る結果となった。中路特任教授は「五輪を糧に大学でどんどん勉強し、それも糧にしてリベンジしてほしい」とエールを送る。そして、こう続けた。「アスリートの宿命の一つは感動を与えること。メダルは取れなくたって、その役目はしっかり果たしていたよ」

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