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Friday, January 14, 2022

クリニック放火容疑者「死ぬときくらい注目されたい」と検索…トラブルなどの記録はなし - 読売新聞オンライン

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 大阪・北新地の放火殺人事件で、谷本盛雄容疑者(61)(昨年12月30日に死亡)が事件半年前の昨年6月以降、自分のスマートフォンに詳細な計画や下見に関する記録を残していたことがわかった。「死ぬときくらい注目されたい」との内容の検索履歴や、無差別殺傷事件などに触れた文書を保存していたことも判明。大阪府警は、谷本容疑者がクリニックの関係者を巻き込む「拡大自殺」を周到に準備したとみている。

 府警によると、スマホは事件現場のビル4階「西梅田こころとからだのクリニック」内の焼け跡で見つかった。谷本容疑者が昨年5月23日に契約していた。

 府警が解析したところ、「京都アニメーション放火事件」「千日前デパート火災」など多数の死者が出た過去の事件や火災のほか、「日本史上最悪の凶悪事件はどんな事件がありますか」との内容の検索履歴があった。無差別殺傷事件や放火殺人に関する文書を保存していたこともわかった。

 スケジュールを書き込めるアプリには昨年6月から事件当日にかけて犯行の準備状況などを記録していた。「2階の踊り場の扉を開けて寸法をとる」(6月14日)、「21時13分 先生が1階出入り口から出てきた」(9月9日)、「(職場復帰を目指す人のための)リワーク(プログラム)の人がいない方が消火栓に接着剤を塗りやすい」(11月5日)などの内容。事件当日には「ジッポライターに火がつくか必ず確認する」などと記載していた。

 また、スマホの電話帳に番号の登録は1件もなく、通話履歴は電気会社やガス会社程度で、孤立した状況が浮かび上がった。困窮ぶりも明らかになり、2015年1月には銀行口座に約150万円の預金があったが、それ以降減り続け、昨年1月に残高はゼロになっていた。同5月には当時暮らしていた大阪市此花区の民家の電気やガスを止められていた。

 谷本容疑者は17年3月、「眠れない」などと訴えてクリニックに通い始め、昨年12月3日まで112回受診していた。スマホにクリニックとのトラブルや不満をうかがわせる記録は残されていなかった。

 大阪・北新地放火殺人事件 2021年12月17日、大阪市北区のビル4階の心療内科クリニックが放火され、男女25人が死亡、女性1人が重体となった。大阪府警は現場から心肺停止で搬送された谷本容疑者が関与したと断定したが、13日後に死亡した。25人のうち24人の死因は一酸化炭素(CO)中毒だった。

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