30日午後3時35分ごろ、島田市で「ヘリコプターが墜落した」との110番が相次いだ。島田署と静岡市消防局によると、島田市大代の山林で墜落した機体を確認した。乗っていた1人が心肺停止状態で見つかり、搬送先の病院で死亡が確認された。同署は40代前後の男性とみて、身元の確認を急いでいる。
▶現場地図、過去の静岡県内の事故
同署などによると、現場付近に集落はあるものの、巻き込まれた人はなく、火災も発生しなかった。事故当時、同市には強風注意報が出ていた。ヘリは民間機とみられ、同署が事故の詳しい状況を調べている。
関係者の話などによると、ヘリは東京都内の航空機レンタル会社が別の会社に貸し出したもので、機体番号などから米・ロビンソン社のタービン機「ロビンソンR66」とみられる。同社の担当者は詳細について「警察に聞いてほしい」と話した。
運輸安全委員会は30日、航空事故調査官2人の派遣を決めた。31日に現地で調査する。
現場は新東名高速道島田金谷インターチェンジから西に約3・5キロで、掛川市との市境付近。
■ひしゃげた機体 部品散乱
「ギュイーンとごう音を残し、山中に落ちた」「機体は大破し、中で男性が倒れていた」-。30日にヘリコプター墜落事故が発生した島田市大代の現場は、周辺に民家が点在する。墜落の瞬間を目撃した近隣住民らは「まさか住宅の近くに落ちるとは」と声を震わせた。
現場の山林は道路から比較的近い。機体は前部がひしゃげ、座席やプロペラ、ガラスなどが周囲に飛散し、尾翼を西側に向けた状態で墜落していた。
「ふらふらと低空飛行していたヘリが山に落ちた」と家族の知らせで現場に向かった近所の男性(63)は、道路から奥に入った山中で大破したヘリを見つけた。中で倒れている1人の男性に声を掛けたが応答はなく、別の近所の人が心臓マッサージをして、救急隊の到着を待った。
現場付近は午後から強風が吹いていた。現場西側の粟ケ岳(掛川市)山頂付近から目撃した杉山敏志さん(69)は「風が強く、機体が左右に揺れていた。しばらくして垂直に落ちてしまった」と振り返る。杉山さんが駆け付けると、既に近所の人々が救助活動をしていて、「大きな外傷はないように見えたが、意識がなかった」と男性の様子を語った。
複数の住民によると、現場付近は日ごろからヘリの往来が多い。近くに住む中学3年の男子生徒は「低空飛行のヘリが通ると家の中のガラスがガタガタ響く。危ないな、とは思っていたが落ちるとは想像していなかった」と青ざめた表情で話した。
付近の住宅の庭で部品とみられる落下物が見つかったとの情報もあり、近所の50代の女性は「信じられない」と恐怖を口にした。
■県内広範囲に強風注意報
島田市でヘリコプターの墜落事故が起きた30日は県内各地で強風が吹いた。静岡地方気象台は事故が発生した時間帯を含め、島田市など広い範囲に強風注意報を発令し、注意を呼び掛けていた。
気象庁によると、静岡空港(牧之原市)では事故発生時間に近い午後3時で風速13・6メートルを観測。同地点の最大瞬間風速は午後2時過ぎの24・7メートル(午後9時現在)だった。川根本町でも午後1時前に最大瞬間風速17・6メートル(同)を記録した。
静岡ヘリポート(静岡市葵区)の関係者によると、30日に予定していたフライトは全てキャンセルになった。風が強まったことなどから、静岡空港をはじめ各地の状況を見て判断したという。
事故現場近くに住む女性は「午後から非常に強い風が吹き、家で干していた毛布が飛ばされてしまったほど」と振り返った。
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