静岡県内に新型コロナウイルス感染症の「第3波」が押し寄せ、クラスター(感染者集団)の多様化と広域化が進んでいる。11月は静岡、浜松両市の繁華街で営業する接待を伴う飲食店やカラオケ店に加えて、職場や学校、仲間同士の集まりなどにも波及した。関係者は「対策の徹底が難しく、より深刻な状況になっている」と警鐘を鳴らす。
▶感染者数市町別内訳・マップ 静岡県内
11月下旬、工場や事業所の会議、読書会などで計4件のクラスターが起きた富士市。県によると、いずれもマスクの着用や「3密」回避などの感染防止策が十分でなく、クラスターが引き起こされた可能性があるという。
陽性者6人が確認された工場は大きな機械音で声が通らず、マスクを外して相手の間近で仕事上の会話をしていた。事業所の会議は長時間にわたり、マスクをしない昼食の際も同じ部屋で話し続けていたという。読書会も換気があまり良くない場所で約2時間にわたり、およそ20人が集まって行った。参加者がマスクを外す場面もあったという。
11月に計10件のクラスターが起きた静岡市では、学校や勤務先の6事業所が同じグループで感染者の確認が続く。検査対象は561人に及び、陽性者は60人に達した。市保健所の担当者は「最初の段階で感染源が特定できなかった。今後は高校や大学、専門学校にも注意喚起する」と対策強化の必要性を語る。
クラスターの発生自治体も新たに沼津、伊東、焼津市にまで拡散した。県地域医療課の永井しづか技監は「新型コロナは病状が出る直前の感染力が高く、無症状でも周囲にうつしてしまう。改めて対策の難しさを感じる」とした上で、「今はどこでもクラスターが起きる可能性はあるが、会話時のマスク着用やドアノブなど共用部分の消毒など、複数の防止策を組み合わせればリスクは大きく下げられる」と説明する。
■関連感染者 11月以降370人
県内で11月に確認されたクラスターは、全体の64%にあたる計23件。関連する感染者は12月2日時点で延べ370人判明している。クラスターの発生に歯止めがかからず、新型コロナの病床利用率は12月に入っても全県で5割超の状態が続き、同日には中部で8割、東部で6割超となった。
重症患者も増加傾向のため、県疾病対策課の後藤幹生課長はクラスターによって医療従事者が多忙となる状況も踏まえて「現場は完全に逼迫(ひっぱく)している。命を救うために必要な医療を確保しなくてはいけない状態だ」と強調する。
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