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Tuesday, July 28, 2020

ありんこ軍団vsスター軍団 後輩に見せた一生懸命な姿 - 朝日新聞デジタル版

(27日、西東京独自大会 早稲田実8-6八王子)

 2点を追う九回裏2死満塁、一打同点の場面だ。八王子の6番打者、溝口雄大(3年)は打席で「センター返し」と唱えた。だが体が開いてしまい、空振り三振。天を仰いだ。甲子園常連校を倒すという目標は、かなえられなかった。

 八王子は2016年夏、甲子園に出場した。スター選手はいなくても、全員で一丸となって立ち向かう「ありんこ軍団」がスローガンだった。当時中学2年の溝口は、そんな八王子野球が気に入り、10校ほどの強豪校からの誘いを蹴って八王子に進んだ。

 昨秋の都大会は本大会の初戦に登板したが、甲子園常連校の日大三に逆転負け。スタミナ不足を反省し、冬場は走り込んだ。学校から10キロ離れたグラウンドでの練習後は、走って学校に戻り、足腰を鍛えた。

 最後の夏、初戦の相手は早稲田実に決まった。両校は毎年のように夏の大会後半でしのぎを削る。あの16年夏は準々決勝で、清宮幸太郎選手(現・北海道日本ハム)擁する早稲田実を八王子が破った。翌17年は八王子が準決勝で破れ、今夏は、清宮選手の弟の清宮福太郎(2年)が早稲田実の4番打者として注目されていた。

 溝口は四回表、清宮に高めの甘いカーブを左翼への本塁打にされたが、その後の対戦は直球で押して2三振に抑えた。「スター軍団」を相手に七回までは失点2でしのぎ、成長を見せた。

 「勝った先に甲子園がなくても、一生懸命な姿を見せられれば、きっと次につないでくれる」。後輩が次の「ありんこ」になると、信じている。=ダイワハウス八王子(木村浩之)

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